◆YJローゼンメイデン第52話◆

※ネタばれ注意です。





真っ暗な、なにもない空間に神様は、ひとりぼっちでいました。

さみしくて、さみしくて･･･神様は、心の依り代にヒトをつくりました。


ヒトは、生まれてきた時に神様の光が眩しくて目を瞑ってしまったために、

神様を見ることができなかったけど、

神様とヒトは、長い間、一緒に仲良く暮らしてきました。


でもやがて、

ヒトは見えない神様では満足が出来なくなり、孤独を感じるようになりました。

そうして、いつしかヒトは神様を忘れて、

自分でつくりあげた別の神さまを頼るようになりました。






････････情報という名の別の神さまを･････････







神さま、神さま、

かわいい女の子は、いませんか？



貴方のお探しのものは、約15,500,000件あります。





神さま、神さま、

かっこいい男の子は、いませんか？



貴方のお探しのものは、約6,090,000件あります。






神さま、神さま、

素敵な恋は、ありませんか？



貴方のお探しのものは、約10,400,000件あります。






神さま、神さま、

わたしに、かわいい女の子を下さい。




神さま、神さま、

わたしに、かっこいい男の子を下さい。




神さま、神さま、

わたしに、素敵な恋を下さい。




小説や漫画やテレビや映画で心に刻まれた物語。

【神さま】のくれたものは、いつまでも大切に大切にしたくて･･･

このままずっと･･･消えないようにするために･･･


都合の悪い部分だけ全て切り取って、都合の良い部分だけを繋ぎ合わせて･･･

そうしてカタチ創った継ぎ接ぎだらけの想像と創造で固めた人形･･･




それは･･･心の依り処

どこかに空いた心の隙間を埋めるために、なにかを求めて彷徨い人形をつくり、

人形は、その心の隙間を優しく埋めて、温かく癒してくれる。




でも･･･やがて、時間が経ち、ヒトは心の隙間があったことも忘れてしまって、

想像と創造で固めたその継ぎ接ぎの隙間が広がってきたとき、

人形は、なにを求めて彷徨うのでしょう？







自分の隙間を埋めるために･･･











神さま、神さま･････

風が吹くと、とても寒いのです。











神さま、神さま･････

どうか、継ぎ接ぎだらけのこの体を直してください･･･










神さま、神さま･･････







･･･お父さま？





･･･貴方は･･･わたしの･･･



･･･････････お父さまなのでしょう？
















：：：：：　追記　：：：：：

拍手、ありがとうございます。